基礎工事(031〜034)が完了し、いよいよ構造材を組み始める。地面に束石が並んでいただけの状態から、単管柱が立ち上がった瞬間、初めてデッキの「形」が見えてくる。DIYの中で最も達成感がある工程のひとつだ。
ただし、ここでの精度が全ての後工程に影響する。柱が傾いていれば梁も傾き、床も屋根も全部狂う。「急がば回れ」が最も重要なフェーズ。
| 項目 | 仕様 | 理由 |
|---|---|---|
| 外径 | φ48.6mm | 標準規格(JIS G3444) |
| 肉厚 | 2.4mm | 屋外用・構造用として十分 |
| 材質 | STK400(一般構造用炭素鋼鋼管) | 強度・コスト標準品 |
| 表面処理 | 溶融亜鉛めっき | 屋外耐久性(錆への下地) |
| 調達先 | ホームセンター(1本600円前後/4m) | カット加工も依頼可能 |
| 工具 | 切断精度 | 切断速度 | 断面仕上げ | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| パイプカッター | ◎(直角保証) | △(手回し) | バリあり(除去必要) | ◎ 少量向き |
| グラインダー(切断砥石) | ○(慣れ必要) | ◎ | 火花・バリ | ○ 多量向き |
| 金属用丸のこ(チップソー) | ◎ | ◎ | ◎(きれい) | ◎ 本数多い場合 |
| ホームセンターの無料カット | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ 設計確定後に利用 |
今回は設計確定後にホームセンターで長さカットを依頼した。誤差±1mm以内で切ってもらえるので、精度と手間の両方で最善。
束石の羽子板(金属板)に単管柱の下端を差し込み、M12ボルト・ナットで仮締めする(手締め程度)。まだ本締めしない。
柱に水平器を当て、2方向(デッキ縦・横)で垂直を確認する。傾いている場合は柱の下端を少しずらすか、下端にスペーサーを入れて調整する。
垂直が確認できたらボルトをスパナで本締め。トルクは適切に(ナメたり破断しない程度)。ダブルナット(ナットを2つ重ねる)にすると緩み防止になる。
全16本の柱が立ったら、上端の高さが揃っているか水糸で確認。事前にホームセンターで同じ長さに切ってもらっていれば自動的に揃うが、束石高さの誤差分だけズレる可能性がある。
許容誤差±5mm以内。それ以上は束石側の砕石を調整するか、柱の下端にシム(薄いスペーサー)を入れて吸収する。
単管パイプ同士や単管と木材を接続するのが「クランプ」。種類が多いので目的に合ったものを選ぶことが重要。
| クランプ種類 | 用途 | 角度 | 今回の使用箇所 |
|---|---|---|---|
| 直交クランプ | 単管同士を直角に接続 | 固定(90°) | 柱と横架材の接合 |
| 自在クランプ | 単管同士を任意角度で接続 | 自由(回転可) | 斜め材・筋交い |
| 木材用クランプ(角材クランプ) | 単管と木材(2×6等)を接続 | 90°固定 | 根太・梁の固定に使用 |
| 垂木クランプ | 単管に垂木(木材)を固定 | 90°固定 | 垂木・根太の固定 |
| ジョイント | 単管同士を直線に延長 | 直線 | 長尺単管の継ぎ |
単管柱の側面に、根太取付け高さをマジックで印をつける。設計上の床面高さ(GL+400mm)から床板厚(38mm)・根太高さ(140mm)を引いた位置が根太下端。
計算:400 - 38(床板)= 362mm → 根太上端高さ。362 - 140(根太高さ)= 222mm → 根太下端高さ。これを全柱に印をつける。
SPF 2×6 の根太材を単管柱に沿わせて、角材クランプで仮固定(手締め)。根太は柱の外側に取り付ける(柱に被せるのではなく、柱の横に沿わせる)。
根太上面に水平器を載せて水平を確認。OKなら角材クランプのボルトを本締めする。
根太が全て取り付いたら、端から端まで水糸を張って全体の水平を確認。1本でも高さがズレていると床面が波打つ。誤差3mm以内を目標に調整。
「梁・桁・垂木」は混乱しやすい用語。屋根付きウッドデッキでは以下のように定義して設計した。
| 部材名 | 方向 | 役割 | 使用材料 |
|---|---|---|---|
| 梁(はり) | デッキ奥行き方向 | 根太を支え、柱に架かる水平材 | 単管φ48.6mm |
| 桁(けた) | デッキ幅方向 | 屋根の母屋(もや)を支える水平材 | 単管φ48.6mm |
| 垂木(たるき) | 屋根の流れ方向(傾斜方向) | 屋根材(ポリカ波板)を直接支える | SPF 2×4 |
| 母屋(もや) | デッキ幅方向(垂木に直交) | 垂木を支え、桁に架かる | 単管φ48.6mm(次の記事) |
屋根は雨水を排出するために必ず傾けて設置する。今回は「勾配 1/10」に決定。
| 勾配 | 意味 | 傾き角度 | 雨水排水性 | 外観 |
|---|---|---|---|---|
| 1/20 | 水平20に対し1上がる | 約2.9° | △ 汚れが残りやすい | ほぼフラット |
| 1/10 | 水平10に対し1上がる | 約5.7° | ◎ ポリカ波板の推奨勾配 | 緩やかな傾き |
| 1/5 | 水平5に対し1上がる | 約11.3° | ◎ 快適な排水 | 見た目で傾きがわかる |
ポリカ波板メーカーの施工マニュアルでは最低勾配 1/10 を推奨。今回は奥行き2,700mmに対して、高い側と低い側の高さ差は:2,700 × 1/10 = 270mm。前面柱を270mm高くすることで1/10勾配を実現。
前面柱(高い方)と後面柱(低い方)の上端に単管桁を直交クランプで固定。前面桁は屋根上端、後面桁は屋根下端の位置。この2本の桁の高さの差が270mmになるよう確認する。
SPF 2×4 の垂木を前面桁から後面桁にかけて455mm間隔で渡す。垂木の長さ:奥行き2,700mm + 軒先(前方への出し)300mm = 3,000mm。
垂木の端部を桁(単管)に垂木クランプ(または専用の金物)で固定。垂木は単管の上に乗せる形で固定し、横ズレしないよう金物を使う。
「母屋」は垂木と直交方向に配置され、垂木を一定間隔で支える水平材だ。屋根材(ポリカ波板)を固定する際に、母屋がビス打ちの受け台になる。
今回は単管で母屋を作り、垂木の上に直交クランプで固定。垂木が単管を受け、母屋が波板を受ける——という2段構えの構造になっている。
| 項目 | 決定値 | 根拠 |
|---|---|---|
| 母屋材 | 単管 φ48.6mm | 強度・耐久性(同材で統一) |
| 母屋間隔 | 820mm(垂木間隔×2−10mm) | ポリカ波板の有効幅655mmに対応する最大間隔 |
| 母屋本数 | 4本 | 奥行き2,700mm ÷ 820mm ≒ 3スパン + 端部2本 |
| 固定方法 | 直交クランプ(垂木上に乗せる) | 垂木の上に単管母屋を乗せクランプ固定 |
820mm間隔の位置を各垂木にマジックで印をつける。全垂木に同じ位置に印をつけることで、母屋が平行・直角に並ぶ。
母屋(単管)を全垂木に渡して乗せ、各交点に直交クランプを仮締め。母屋が垂木と直角になっているか確認する(水糸または スケールで端部間距離を確認)。
直角・平行が確認できたら全クランプを本締め。本締めは対角方向に順番に締めていくと、締め付けで母屋が動かない(車のタイヤのナットを対角で締めるのと同じ原理)。
単管と木材で組んだ構造体は、垂直方向の荷重(自重・積載荷重)には強いが、水平方向の力(風荷重)には弱い面がある。これを「筋交い(ブレース)」で補強する。
| 補強方法 | 効果 | コスト | 見栄え |
|---|---|---|---|
| 単管筋交い(自在クランプ) | ◎ 最も効果的 | クランプ代のみ | △ 目立つ |
| ターンバックル(ワイヤー筋交い) | ○ | 中程度 | ○ すっきりする |
| 合板面材(火打ち) | ◎ | 合板代のみ | ◎ 内側から見えない |
今回はデッキ床下に合板(厚12mm)を水平面に張って火打ち代わりにするとともに、屋根の棟部に単管筋交いを1本入れた。
全部材が取り付いたら以下を確認してから次のフェーズへ進む。
| # | 確認項目 | 確認方法 | OK基準 |
|---|---|---|---|
| 1 | 全クランプの本締め | 目視・手で触る | ガタツキなし |
| 2 | 根太の水平 | 水平器 | 気泡中央 ±1目盛り |
| 3 | 垂木の傾き(勾配) | 水糸で前後高さ確認 | 前後差 270mm ±5mm |
| 4 | 母屋の直角・平行 | 対角距離確認 | 対角差 ±5mm以内 |
| 5 | 構造体の揺れ | 手で横から押してみる | 目立つ揺れがないこと |
| 6 | 全柱の垂直 | 水平器を柱に当てる | 気泡中央 ±1目盛り |
単管の径選定・クランプの配置・柱の垂直出し・水平確認の手順をサポートします。
「この構造で荷重を支えられるか」という強度確認も、計算式をもとに判断します。
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